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孤高の帝王は純粋無垢な少女を愛し、どこまでも優しく穢す

第37章 指

夏のある日の午後。

子供たちが遊び疲れて昼寝をしている静かな部屋に、おじさまがふらりと訪ねてきた。

「残念。二人ともお昼寝なのよ」

「いや、その逆。ラッキーだ」

おじさまは言うと、私を優しく抱きしめた。

「おじさま…」
久しぶりに感じるおじさまの体温で、耳が熱くなる。

「子育てに奮闘する黎佳も、また素敵だ」

私はおじさまの背中に手を這わせた。

ママとしての私、妻としての私、おじさまの前で無心になる私…さまざまな役割を背負った今も、おじさまの前ではただの黎佳になる。

「黎佳は、おじさまのもの」

自然とそんな言葉が突いて出た。

遥人さんと家庭を築きながらどの口がそんなことを言うのかと自分に呆れたが、おじさまはどこまでも優しい。

「そうだ。お前は私のものだ」

誰と結婚していようとも、誰の子を産もうとも、私のすべてをおじさまは受け入れる。

だから私も、おじさまのすべてを受け入れるのだ。こうして突然、私を欲しくなって本宅からやってくるおじさまも、私をよそに真剣な顔で遥人さんとひざを突き合わせて仕事の話をするおじさまも。



おじさまの手を引いて寝室に入り、ベッドに並んで座った。

胸に頬を押し当て、甘いムスクの香りを吸いながら目を閉じた。

「残念だが、最近の私は、お前と一つになる自信がない」

「いいのよ。私はおじさまの愛情をしっかり感じているわ」

「けど私の気が済まないんだ。どうしたらいい?」

皺も白髪も増えたのに、少年のような輝きを失わない漆黒の瞳。

その奥に、やりばのない欲情を宿して見えた。

「おじさま…いかせてくれる?」

私はおじさまの手を取り、指を手のひらで包んで撫でた。

「この、長くてきれいな指で」


おじさまは私の唇に指を滑らせ、やわらかい接吻をくれると、ベッドに横たえた。

指を、頬、胸、おなかへと滑り下ろし、スカート越しに股間に触れた。

「うれしい。おじさま。して?」

私はスカートをめくりあげた。

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