
孤高の帝王は純粋無垢な少女を愛し、どこまでも優しく穢す
第45章 新居
後日私は、新居に星名さんを呼び出した。
まだ家具が一つもないまっさらな家はまるで空き倉庫のようにがらんどうだった。
星名さんを思えば、不倫相手の妻と二人だけでこんな場所で対峙するなんて拷問だろう。
けれども、いつか向き合って話し合わなければならないのだ。私にも勇気がいることだったし、相当な覚悟を決めてのことだった。
「失礼します」
恐る恐る玄関のドアを押し開けた星名さんは、案の定肩をすくませ、顔色がさえなかった。
私は努めて笑顔を見せて、彼女を招き入れた。
「素晴らしいお宅ですね」
星名さんは目を見張り、玄関ホールから下りている意匠を凝らした照明に見とれている。
「素晴らしい会社が建てているからね」
「そうですね。誇らしいです」
星名さんの目に、輝きが宿る。彼女は会社も愛しているのだ。
「星名さんは…ここに、どんなソファを置く?」
ファミリールームと呼ばれる部屋に案内しながら、私は尋ねた。
「私だったら、ですか?」
「ええ。あなたが、ここに住むとしたら。遥人さんと」
星名さんの目尻に緊張が走った。
私がその目を見つめていると、星名さんは強い視線で見つめ返してきた。
「奥様。申し訳ありません。私は」
「なに?」
「私は社長のことが好きです」
まだ家具が一つもないまっさらな家はまるで空き倉庫のようにがらんどうだった。
星名さんを思えば、不倫相手の妻と二人だけでこんな場所で対峙するなんて拷問だろう。
けれども、いつか向き合って話し合わなければならないのだ。私にも勇気がいることだったし、相当な覚悟を決めてのことだった。
「失礼します」
恐る恐る玄関のドアを押し開けた星名さんは、案の定肩をすくませ、顔色がさえなかった。
私は努めて笑顔を見せて、彼女を招き入れた。
「素晴らしいお宅ですね」
星名さんは目を見張り、玄関ホールから下りている意匠を凝らした照明に見とれている。
「素晴らしい会社が建てているからね」
「そうですね。誇らしいです」
星名さんの目に、輝きが宿る。彼女は会社も愛しているのだ。
「星名さんは…ここに、どんなソファを置く?」
ファミリールームと呼ばれる部屋に案内しながら、私は尋ねた。
「私だったら、ですか?」
「ええ。あなたが、ここに住むとしたら。遥人さんと」
星名さんの目尻に緊張が走った。
私がその目を見つめていると、星名さんは強い視線で見つめ返してきた。
「奥様。申し訳ありません。私は」
「なに?」
「私は社長のことが好きです」
