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孤高の帝王は純粋無垢な少女を愛し、どこまでも優しく穢す

第24章 同級生・2

車は大きな門を通り抜け、砂利道を踏むタイヤの音とともに植栽を回り込み、三階建ての屋敷の入り口の前でとまった。

両開きの玄関の扉を押し開きエントランスに入ると、吹き抜けにらせん階段があった。

漣くんが私の手を引いて駆け上がると、一階のリビングから出てきた女の人が引き留めた。

「漣くん、お友達?」

漣くんは立ち止まって手すりから下を見下ろした。

「そうだよママ。この子は門倉社長のところのお嬢様の黎佳ちゃん。黎佳ちゃん、僕のママ」

「あら…」

お母様は階段を上り私に近づきながら微笑んだ。

「はじめまして。麻生黎佳です。漣さんにはいつもお世話になっています」

踊り場で立ち止まった私は頭を下げ、挨拶をした。

「はじめまして。なんて可愛らしいお嬢様なの」

お母様は私を上から下まで眺めた後、うっとりするような笑顔でため息をついた。

「お茶とお菓子を運ぶわね」



二階に上がると、白い大きなドアの向こうに漣くんの部屋があった。ドアを開くと目の前には庭に面したバルコニーに出る大きな窓があり、窓の手前にソファーとステレオ、ピアノとギターが置かれていた。

「僕は音楽が好きで、普段はここでレコードをかけたり、ピアノやギターの練習をしたりしている。防音室なんだ」

そう言いながら漣くんは右手に延びた階段を上り、私に手招きした。

「上は寝室と、学習室」

階段を上り切ると八畳をこえるくらいの大きめのロフトになっていて、突き当たりはに壁一面の本棚。振り返ると先ほどの大きな窓から庭が見下ろせた。

ロフトの奥へ進むとセミダブルのベッドがあった。

息をするのも忘れて部屋を見渡していると下のドアが開く音がした。

「漣くん、お茶お持ちしたわよ」

漣くんは、行こっ、と私の手を引いて再び階段を降りる。

「黎佳さん、ゆっくりなさって行って。ママは二時間ほど夕食の買い物に行くから。喉が乾いたら飲み物はキッチンで好きなものを自由に召し上がってね」

そう言ってお母様は部屋を出て行った。

「ママは黎佳ちゃんを気に入ったみたいだ」

漣くんは言ってソファに座り、私の手を引いて横に腰座らせた。肩が触れ合う。

「さっきの続き、しよ?」

漣くんは言って私の頬を撫で、ちゅっと優しいキスをした。

私は胸が破裂しそうに激しい鼓動に息を乱しながら、漣くんの舌を受け入れた。

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