いつかの君に感謝を
第4章 心の揺らぎ
「帰って。もうここには来ないで」
舞は俺に背を向けながらいつも通りの落ち着いた声で言った。
俺は取り乱したせいで舞の呼吸がおかしくなっていることが気がかりだったが、俺がいると舞を刺激してしまいそうで部屋を出た。
前川くんもいるし大丈夫かな。一応彼も医師免許を持っているし、何かあったら連絡が来るだろう。
カーテンを開けて舞のベットから離れ、カーテンを閉めた。一瞬だったが、舞と目があった気がした。
その目は助けを求める目だった。
俺が舞を助けるからな。もう少し待ってて