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My life

第52章 新しい先生



バサッ


えっなに、?


急に湊先生が私の布団を剥ぎ取った


先生に言われて私が渋々ベッドに座ると湊先生は私の目線の高さまでしゃがんできた


「みお?とりあえず診察は置いといて、初めて会う先生にその態度はダメ。せっかく自己紹介してくれたんだからちゃんと速水先生のこと見て。そして自分の自己紹介もすること。先生に怒ってるのを他の先生にも当たるのはダメだよ?わかった?」


美桜はベットの上に座って俯きながら湊の話を聞いた



「……ぅ…る…さぃ……」


「ん?」


湊は美桜がなんと言ったのか聞こえず聞き返した


「うるさい!もう私に構わないで。私新しい先生に診察していいよなんか言ってない!勝手に先生達が決めたんでしょ?なんで私が怒られるの、私診察なんかしたくない!出てって…そこの先生も早く出ていって」


美桜は近くにあったクッションを湊に投げつけた


湊は黙って美桜の話を聞いて投げられたクッションを拾って話し始めた


「ねぇみお?美桜はなんで今入院してるの?お腹治すために入院してるんじゃないの?」


私だって入院したくてしてるわけじゃない。もういいよ、どうでもいい…


頑張ってもどうせ悪化する


もう頑張れない、頑張りたくない



「………………………」



美桜は黙ってずっと下を向いていた


「ここ何日かずっと美桜は何もさせてくれなかった。先生も本当は無理にはしたくない。美桜が治す気ないなら先生ももう美桜のために頑張れないよ。今美桜が頑張るって言ってくれたなら先生も今まで通り美桜の先生でいるよ。美桜はどうするの?」



もうやだ。何もしたくない。



「………………」


でもそんなこと言えない



「黙ってても先生分からないよ。ちゃんとお口で言って」



今はもうやだ、頑張れない


「……やだ…もう何もしたくない」


美桜は俯きながら消えそうな声で言った。そして美桜の目には涙が溜まっていた


「わかった。美桜?担当医変えよっか。美桜のお望み通りみおの嫌なことは何もしない先生に。じゃあね美桜。速水先生次の子のところ行こっか」


湊はさっさと美桜の部屋を出た


美桜はもう涙を堪えきれなくなり、肩を震わせながら涙を流した


その光景を見て速水は黙って湊の後ろを歩いて部屋を出た

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