テキストサイズ

碧い雨の夜に…

第5章 【不変的に……】






紅い印はたくさん愛してくれた証拠。
それがないと少し、物足りなくなってる。
あまりはだける服は着ない。
お腹出して踊らない。
出す時は衣装の時くらい。
だからピチッとした衣装着た時はよく
「細い!」って驚かれがちなんだ。
食べても太らない体質で、鍛えておかないと筋力も落ちるから体型維持は常に心掛けてはいる。




スタジオ内でジムもあるし、本格的なことはしてないけど、腹筋は鍛えてますよ?ダンサーですから。
一緒に鍛えようとしているアキラも横でせっせと励んでる。
「理世」と呼ばれて視線向けたらたまに無断で激写される。
そのスマホ取り上げて削除。




「あっ、今日の理世まだ撮れてないんだぞ」




「トレーニング中は撮るな」




「あーね、鬼の形相だしな?」




こんな憎まれ口を叩くのもアキラくらい。
ナオが紳士過ぎて余計に霞んで見えるけど、こんな相手も居なくちゃ張り合いもないか。
睨み利かせてたら「ウソウソ、ガチでお前は可愛いです、晩飯行こ?勿論奢らせていただきます」ってくっついてくるな。




何回断っても平気で誘ってくる。
適当にあしらう私を周りも慣れた雰囲気で笑ってる。
ショート動画でバズらせているのか、
“今日の理世さん”とかで撮られる。
ナオが知ったら怒るかな?
バズってるならそのうちバレるな。




動画を撮らせているところの動画だったり、勿論ダンスも撮るけどほとんどが休憩の合間でのダンサー同士の会話や戯れ。
休めないって、そんな撮られてたら…と思うけど私も慣れてきて。
たまにする塩対応が良き…みたいです。




忙しい日々に呑まれて身も心も充実してるものだと思ってた。




「理世お疲れ〜」




皆と別れて帰ろうかと思った矢先。
駅前のファッションビルにパッと映し出された屋外広告。
数人が足を止めて見上げてる。
大型ビジョンでしかも1つのビルだけでなく次々と大々的に広告ジャックしているのは、某有名ブランドの新作アクセサリーとファッションの宣伝だった。





そんなことはどうでも良くて。
「うわ〜綺麗」とか「モデル誰?」とか何処かから聴こえてくる。








ストーリーメニュー

TOPTOPへ