
カッコ悪い俺ら
第7章 居場所
「それに……考えさせられる事も…言われてね
颯太に酷いことしちゃったなって…反省したの」
それから、利弘が姉に言った事を聞き――――…体が震えた
利弘の気持ちが嬉しかった
ザワつく心をどう押さえていいか…困ってしまうほどに
「………それと、アパートなんだけと、颯太が高校卒業するまで…私と旦那で家賃は払うから…安心して住んでいいから――――…
父の実家も母の実家も……私たち子供が住むには居心地が悪すぎて住めないものね」
そう、どちらの実家も、出戻りなどバツイチだのと近所の目がうるさい田舎街で、何も悪くない子供が肩身を狭くしないといけないなんて…馬鹿げている
「ありがとう…助かる」
「………でも…ごめんね、私達も金銭的にはそれが限界で――――…卒業後は負担してあげられないかもしれないの」
「十分だよ、バイトして今からお金貯めるし…卒業したら就職するから…あの部屋は出るよ」
姉の生活も…ギリギリなのだ我が儘は言えない
「本当に…ありがとう」
俺は、姉と旦那に深々と頭を下げた
帰り際…
どうしてあの旦那にしたのか聞いた――――…
「………彼は、私のカッコ悪い所を全部知ってるから…かな?」
と、惚気られた
