Biastophilia💋
第1章 Biastophilia
彼、聖司は私に告白を断られても、何事も無かったのように、会いに来た。
しつこく私に好意を寄せる事なく
変わらずマゾヒストとして私に奉仕をしてくれたの。
意外と神経が図太く、現実をすんなり受け入れるタイプの男なのかと感心していたの。
差出人不明の手紙が郵便受けに入っているのに気付くまでは、ね。
貴方が好きです、と一言、
パソコンで入力された文字が印刷された白紙が茶封筒に入っていた。
ラブレターみたいなもの。
だけど、すぐに私は聖司の顔を思い浮かべた。
本当は私への恋心を消していないんじゃないかって、疑ったの。
でも止めはしなかった。
聖司か、それとも全くの赤の他人が放り込んだのか断定出来ないけど、面白かったの。
だから放置した。
すると翌日から同じようなラブレターが届くようになったの。
貴方が好きです。
貴方が大好きです。
貴方を愛しています。
貴方を狂おしい程、愛しています。
どんどんヒートアップしていく手紙の印字された文字を私は指でなぞったの。
聖司にも伝えたの。
最近、郵便受けに差出人不明の手紙が来るようになったって。
「ストーカーかしら?怖いわ。」って。
そうしたらその手紙を持参して早く警察にストーカー被害を出した方が良いよって助言してくれたの。
無関係だったら、親切な人だわって思うけど、
本当は貴方が犯人なんじゃない?って懐疑心を抱いていた。