Biastophilia💋
第1章 Biastophilia
そうなのね、辛かったわね。
私もね、辛かったのよ。
6年前私は貴方の告白を断ったけれど、実は貴方の事を愛していたから。
私がそう言うと、彼の瞳に動揺が走った。
「俺が君を強姦してしまった、あの時も?」
そう震えながら聞いてきた彼に、私は「うん。認めたくなかっただけ。」と目を伏せながら答えたのだ。
「貴方への恋心を捨て去りたかったわ。だけど、捨てきれなかったから手紙を送ったの。貴方はまだ....私の事を愛してる?」
そう尋ねれば「愛しているよ。」と即答だった。
「貴方に殺されそうになったあの日から、
私の愛情は極端に歪んでしまったけど、
今は貴方が犯した罪を許し、
無職の貴方と一生を暮らすのも悪くないと思っている。
私を癒すだけの、愛玩動物にならない?
将来に怯える事なく、心の平穏を保ちながら、私のペットとして新たな人生を歩むの。
勿論、拒否したっていいわ。
貴方に選ばせてあげる。」
私は口を閉ざし、苦悶の表情を浮かべる彼の瞳を凝視続けた。
「君は私を受け入れてくれた。だから君に一生を捧げるよ。君のペットになるよ。」
聖司は、意を決して私の愛玩動物として生きる事を誓ってくれた。
その瞬間、私は立ち上がると、
椅子に腰掛けたままの聖司を抱き締めて横からキスをしたの。
そして「ありがとう、聖司。」と言って、
犬を愛でるように、彼の頭をぐしゃぐしゃにした。