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Biastophilia💋

第1章 Biastophilia



私が10歳になった時、念の為、母に確認したの。
「どうしてお母さんはお父さんと結婚したの?」って。


その日は授業参観日で、母らしく振る舞える事が出来る特別な日。


私とまともに会話が出来る日だった。



母は世間的にも知名度が高くて綺麗で、仕事も出来ていたらしいから、


チヤホヤされていた煌びやかな芸能人に戻りたい意思は無いのかなって、帰宅してから真っ先に聞いてみたの。



そうしたら「無い。」って案の定、返ってきた。


結婚と同時に隷従を誓ったからって。


父の所有物になる事を何よりも望んでいたのってね。


そうして母は私に言い聞かせるように言ったわ。







「いつか貴方にも私の気持ちが分かる日が来るわよ」って。





その時、私は思ったの。







もしも父に奉仕する貴方の立場を




いとも簡単に私が奪えたとしたら





その快感が分かるのかしらって。






ああ、私は偉いから言わなかったわよ。
それにまだ「家族」って言葉を信じていたから。


でも心の中では


母の存在意義を奪えたら



さぞかし気分が良いだろうと思っていた。




絶対に言わなかったけどね。



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