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狂炎~狂った情炎に焼かれて~

第2章 侵食汚染



「……だいぶ良くなったな」
飲み会の帰りに男にレイプされてから二日が過ぎ、ようやく動けるようになった。俺はベッドから降りてリビングに降りる、俺は夜勤明けの茜のために朝ご飯の準備をする。
「ただいま…」
「お帰り、茜」
「蓮くん、身体大丈夫?」
「ただの二日酔いだから…」
さすがに茜に男に抱かれたと言えるわけもなく、茜には二日酔いだと言ってごまかした。茜と一緒に朝ご飯を食べた俺は仕事に向かう準備をする。
「……本当に大丈夫?」
「大分酒も抜けたし、大丈夫…」
茜は俺を見送りに玄関まで来る、俺は未だに不安そうな茜の額にキスをしてマンションを出た。








まだ腰に違和感が残っているが土日は激痛のあまり起き上がることすらままならなかった。
「はあ…」
俺は腰をさすりながら空を見上げた。一体誰が俺をレイプしたのか?金曜日の飲み会でビールを飲んでいたらいつの間にか意識を失っていた。酔って眠ってしまった。もしかしたらビールに何か仕込まれていたかもしれない。視界を塞がれていたせいで俺は襲って来た男達の顔すら知らない。
「……クソッ!!」
為すがままレイプされた茜を裏切ることになってしまった不甲斐ない自分が憎い。まだ歩きなれない通学路を歩いていると学生が増える。
「日色センセー!!」
「がッ……!?」
慶人が後ろから抱き着く、慶人を受け止めた衝撃が腰に走る、情事の腰痛が再発しそうになる。
「慶人…いきなり抱き着いたら危ないよ」
高人がため息を吐きながら、兄を窘めた。慶人は俺の首に腕を回した。
「顔色悪いけど大丈夫?日色センセー?」
「そ、そうか?」
慶人が俺の顔を覗き込む。
「……日色先生、顔、青いですけど、本当に大丈夫ですか?」
慶人の心配を聞いて、高人も俺の顔を覗き込んだ。キレイな顔ふたつに同時に詰め寄られ俺は気圧される。
「だ、大丈夫だって…週末に飲み会あって、そこで飲み過ぎただけだって」
さすがに男にレイプされて調子が悪いとは言えない俺は引き攣った笑みを浮かべ、大丈夫だとふたりに言う。慶人と高人は俺の言葉を聞いて顔を見合わせる。
「そっか、なら良いや」
「あまり無理しないでくださいね」
俺の説明に納得したのかふたりは俺から離れた。

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