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狂炎~狂った情炎に焼かれて~

第2章 侵食汚染




「やっと終わった…」
朝から風間の双子に絡まれ、神経を擦り減らしながら授業をこなし、やっと放課後になった。腰も大分良くなり、少し気が楽になった。
「日色先生…」
「……ッ…!!…校長先生…」
校長の及川が音もなく俺の背後から近付く。急に肩に手を置かれた俺は思わず声を上げそうになった。
「どうですか?生徒達とは上手くやれてますか?」
「はい、今のところ生徒達とは特にトラブルなどは起きずに仲良くやれています」
今のところ、特に目が付く生徒はいない。数名くらいサボる奴とかいると思ったがそれもない。及川はそうですかと頷いた。
「ちょっと見せたいものがありますので校長室まで来て下さい」
「分かりました」
俺は回収した課題の確認を切り上げて校長室に向かう。小規模の高校だけあって校長室も手狭だった。中年太りの校長は豪奢なイスに座り、黒檀の机から写真を数枚取り出した。
「……見てみなさい」
「……これはッ…!!」
及川は俺に写真を見るように言う、俺は机の上の写真を手に取る。写真を見た俺の顔がさーぁと青ざめる。青ざめる俺を見て及川は歪んだ笑みを浮かべた。
「、どういうことだ!?これ!?」
及川から渡された写真に写っていたのは犯されている俺の姿だった、なんで及川が犯されている自分が写っている写真を持っていたのか?嫌な予感がした俺が及川を見ると困惑している俺を面白そうに見ている及川がいた。
「金曜日は楽しかったかい?日色先生?」
「う、嘘…だろ?なんで?」
まさか及川が俺をレイプした犯人のひとりだったとは…。俺は憤りのあまり写真をぐちゃぐちゃにしてしまう。
「ふう、この田舎町じゃあろくな娯楽がないからね」
俺は暇潰しでやっと供述する及川に掴み掛かる。激昂する俺に及川は余裕を崩さない。
「この写真を妻に見せたらどうなんだろうね?」
茜のことを持ち出され、俺の頭が冷える。失職覚悟で及川を殴ろうとした俺の手が止まる。そうだ、まず最優先にしないといけないことは茜にこのことをバレないようにすることだ、今の俺には茜しか縋るものがない。
「………あ、茜にはこのことをバラさないでくれ」
俺が男にレイプされたことをバラされたくない俺は震えるような声で、及川にこのことを茜にバラさないように頼み込んだ。

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