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璃音の登場で…
その後の事は　全て璃音が　引き受けてくれた。

頼もしい　弟分に　感謝する。

父さんは　ここぞとばかりに　仕事をし、
帰国も　俺より　遅くなる予定だ。

予定の無くなった俺は
久しぶりの友人に会ったり
束の間の　旅行気分を　味わった。

渡米中…
寂しくなるから　連絡を　取りたくない
という　詩史の要望で
連絡を　取り合っていない｡

はぁ…　詩史…
連絡したら　婚約破棄する　とか…
そりゃ　ないよ…


スマホの中の　詩史の画像を　見ながら
詩史への　恋しさを　募らせる。

それから…
ホテルで　詩史の淫らな画像を　見ながら
自分を　慰める。

はぁ…　足りない！

触り　たい…！

帰国する日を　指折り数えて…
詩史を　渇望した。


長時間のフライトを終えて　空港に着くと
怜央が　迎えに　来てくれていた。

「あれ？　詩史は？」

当然　来てくれていると　思っていた俺は
大いに　動揺した。

「あぁ…　誘ったんだけど…
それどころじゃ　無いって…」

怜央の説明に…
落雷に遭った様な　衝撃を　受けた。


それどころじゃ　ない…？！

愛する彼氏との　久しぶりの再会を…
それどころじゃ　ない？！


車の　窓に　凭れて　ショックを隠しきれない。


やっぱり　璃音との　賭けの事…
怒ってるのかな…。

詩史は　そういう　卑怯っぽい事
嫌いだもんね…。

でも…
俺だって　必死　だったんだよ？

ぐるぐると　詩史の事を　想う。

あぁ　でも…
どんなに　怒っていても
最後は　必ず
詩史なら　受けとめて　くれる！　筈。

怒ってるなら　謝って…
早く…　詩史に　触りたい…！


家に着くと　車から　荷物も　降ろさずに
ただ　ひたすらに　詩史の部屋へ　急いだ。


詩史　　詩史…！

忠犬が　大好きな飼い主の元へ　一目散に
走るみたいな　気分になって…
詩史の事しか　頭に　なかった。


「きゃはは…　！」
「？！」

突然　聞こえたのは　詩史の笑い声。
廊下にまで　響く　くらい…
すごく　はしゃいでいて　楽しそうだった。


何…　その　笑い声…　！
聞いた事　無いんだけど…！

と　動揺する。


「ふふっ　もぉ　ヤダぁ〜♡
ライくん　ったらぁ〜♡」


ライ　クン…　？


ざわ…　っと　胸騒ぎがした。


誰…？　　誰と　居るの…　詩史…！