無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

私は　紫優くんとの　別れ　に　蓋をした。

今は　何も　考えない。

思い切り　甘える　事にした。

その方が　苦しくないし
紫優くんも　喜ぶから…。


放課後

ひと気の　無くなった
静かな　住宅街に　入ると
前を　歩く　紫優くんに　手を伸ばして…
腕を　掴んだ。

紫優くんは　フッと　微笑する。

「…人通りが　無くなった途端に（笑）
甘えん坊　TIME　Start？」


学校では　紫優くんに　距離を置いて貰って
相変わらず　クールな優等生を　演じている。

その分の　反動で…
２人だけの時は　思いきり　甘えたくなる。

紫優くんも…
私に　無視されていた時を
取り戻す様に　私を　甘やかしてくれる。


「学校では　クールビューティな　詩史が
こんなに　甘えん坊だなんて！
みんなが　知ったら　驚いちゃうね（笑）」

「だって…
紫優くんだけが　知っていれば良いでしょう？」

「勿論♡
甘えるのは　俺だけに　してね？」

紫優くんが　甘やかしてくれるから…
私は　どんどん　欲張りに　なっていく。

幼少期で　卒業した筈の　甘えん坊が
再発してる。

ううん。　寧ろ…
あの時より　酷いかも　知れない。


ソファーに座る　紫優くんの　膝の上に
座って　その胸に　擦りつく。

小学生の頃　景斗さんや　お兄ちゃんに
甘えていた　スタイルで…
紫優くんが　やたら　私に　怒っていた。

『なんで　父さんと　怜央に 甘えるの？！
しふみちゃん　ひどいよぉ！』

あの時は…
お父さんと　お兄ちゃんを　私が　独占するから
怒っていた　と　思っていたけど
実は　逆で…
紫優くんは　私が　紫優くんに　甘えないから
怒っていた　らしい。


「はぁ…♡
しふみちゃんが　俺に　甘えてくれてる♡」

紫優くんと　私は
このソファーに　座ると
小学生に　タイムスリップする。

あの時の　紫優くんの　寂しさを
埋める様に　甘えてみせる。

でも…
あの時と　違うのは
深く　繋がる　気持ち良さを　知っている
という　コト。


紫優くんの　首に　腕を回して
唇を重ねる。

ちゅっ　ちゅ…　と　リップ音が　響いて…

その内に…　ペロッと　唇を　舐めると
紫優くんは　顔を　真っ赤にして
眉毛を　下げた。

「もぉ…　しふみ　ちゃん…！♡」

紫優くんも　あの時とは　違う。