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優香が２階に上がって２０分くらい経っただろうか。

階段を降りる足音が聞こえた。２人分だ。

先に優香が降り、その後に沙耶が続いた。

優香は俺に、

「食べようか！」

と言った。俺は何も言わずソファーを立つとテーブルに向かった。その時恐る恐る沙耶を見ると、明らかに怒っている表情をしていた。

３人はいつも座る席につくと、優香が

「食べましょうか！」

と言った。俺は、

「うん！」

とだけ言い、沙耶は無言で食べ始めた。

今日のメニューは焼きうどんだ。優香が、

「ごめんね！手抜き料理で…。」

と言うと、俺は、

「焼きうどん好きだから…。」

と言った。すると沙耶が、

「お母さん、忙しかったからね！」

と、低い声で言った。

それ以上会話が出来ない雰囲気になった。そして沙耶は、無言で立ち上がると焼きうどんを半分以上残して、２階に上がって行った。

俺は、言葉がなく黙々と焼きうどんを食べ、食べ終わると、

「ごちそうさま！美味しかった！」

と言った。優香は、
　
「そう！良かったわ！」

と静かに言い、俺が席を立つと、

「気にしなくて良いから！あー見えてあの子、年齢の割にそういうことには、なんというか融通がきくから…。」

と言った。俺には、優香の言った意味はよく分からなかったが、たぶん親父としているところか、他の誰かとしているところを今回と同じように見られたことがあるのかもしれないと思った。

俺は、

「そう…。」

とだけ言うと、家にいたくなかったので、

「ちょっと出かけてくるから…。」

と言い、優香は、

「はい！本当に気にしないでね！」

と言った。俺は、

「ごめん！俺のせいで…。」

と言うと、優香は、

「あなたが悪いわけじゃないから…。どちらかと言えば、今日は私…。」

と小さな声で言ったあと、

「ほら！気にしないでって言ったでしょ！」

と笑顔を見せて言った。俺は、

「うん！」

と言うと、身支度を整えるために２階の部屋に行った。