もうLOVEっ! ハニー!
第19章 友情の殻を破らせて
今がこれほどならば、スタジオでプロが撮る写真はどれほどの迫力になるのだろう。
ルカは三人の反応に手応えを感じたように、うんうんと頷いた。
「では、これをデモとして送ります。撮影見学許可と一緒にオーディション参加可否について確認しますね。余程ステキな人達が殺到してなければ、確実に許可は出ると思います」
実際にそうやって知り合いから仕事を得るパターンもあるのかもしれない。
それが芸能界となると、突然別世界のように感じてしまうけれど。
「急なお誘いですみません。あと、今夜お風呂入る前にうちの部屋に来てくれますか」
美弥があからさまに飛び上がる。
「彼女の前でそれ言うかに!」
「あ、違います。スキンケア用品をお渡ししたいだけなので。ご都合宜しければ、この後すぐ皆さんで来てもらいましょうか」
ドキッとしてしまったのを見抜かれたでしょうか。
この撮影の先で、ルカさんと仕事をもし共にしたら、距離が近づくのではという思いが過ぎらない訳ではありません。
「せやね。美弥はおらんくてもええけど、かんなは一緒に行こか」
「は、発案者としての責任もありますし」
「そんなドギマギせんの」
うう。
あまりに落ち着いている反応に温度差を感じる。
ルカは口に手を当ててクスクス笑った。
「やですね、松ちゃんも美弥先輩も。私がこの学園に来たのは恋愛などに時間をかけたくないからですよ。巻き込まれるのすらゴメンですから。ご安心ください」
「すみません……そんな邪な考えするだけでも失礼でしたよね」
「ボクが火をつけたから、かんな悪くない」
「俺はかんな以外興味ないから、問題ないで」
「あははっ! 本当、面白い人たちですね。では、行きましょうか。皆さん」
顔から火は出てないですか。
美弥さんはグルルと狂犬の顔をして、ガク先輩を睨んでいますが。
「ボクの前で惚気けたらぶちのめすよ」
「じゃあついてくんなや」
「ああもう、やめてください、おふたりとも」
早くこの話題から離れたいのに。
寮までの道が長く感じた。
それにしても脳裏に残る写真。
データもらえないでしょうか。
自分がカメラの才能があればいいのに。
練習すれば、あれほどのが撮れるのでしょうか。
これからカメラを向けることすら恐れ多い。
完成系を見せられてしまった。
「では、部屋に行きますか」
四人は階段を上った。