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幸せな報復

第24章 幸せな報復 

「母の姉の名前が……仁美ですって? 名前しか知らないって……」

 恵美は、母・義美に姉がいることを初めて知らされた。

 だが、その「仁美」という名前には、聞き覚えがあった。

「浩志くんの亡くなったお母さんと……同じ名前だわ……」

 胸の奥がざわついた。

「勘太郎さんが前に言っていた……。わたしを見て、仁美と瓜二つだから驚いたって……」

 そこまで考えたところで、恵美の思考が止まった。

「まさか……同じ人……?」

 以前、勘太郎の家を訪ねたときに見た家族写真が脳裏に浮かんだ。

 写真に写っていた仁美と、自分の顔。

 あまりにもよく似ていた。

「そういえば……あの写真を見たときも、不思議なくらい似ていると思った……」

 これまでの出来事が、次々と頭の中によみがえってくる。

 恵美は、心の中でさえ、その先の言葉を続けることができなかった。

「浩志くん……」

 ようやく声を絞り出す。

「わたしたちって……結婚してよかったの?」

 浩志の母・仁美は、母・義美の姉に違いない。

 つまり、母親同士が姉妹なら――自分と浩志は血のつながった従兄妹ということになる。

 義美は姉の顔も、その後の消息も知らなかった。

 だから、今まで誰も気づかなかったのだろう。

「でも……」

 恵美は急に不安になった。

「知らなかったとはいえ……わたしたち、親戚なのよね?」

 心拍数が一気に上がっていく。

「えぇっ……どうしよう!」

 恵美は思わず立ち上がった。

「わたしたちって、本当に結婚していいの?」

 そして、もう一つのことが頭をよぎった。

「それに……わたし……」

 恵美は顔を赤らめた。

「勘太郎さんのこと……好きになってしまったのに……どうしよう……」

 今度は別の意味で胸が苦しくなった。

「こんなこと……考えていいのかな……」

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