
幸せな報復
第24章 幸せな報復
恵美は慌てて六法全書を開いた。
ページをめくりながら、必死に条文を探す。
まばたきすることさえ忘れていた。
「民法……七百三十四条……」
指で条文を追う。
直系血族、または三親等内の傍系血族との婚姻は禁止されている。
だが、いとこは四親等だ。
「……いとこは四親等……」
恵美は何度も条文を読み返した。
「じゃあ……結婚できるんだ……」
ほっとした瞬間、頭の中にエルザの声が響いた。
「良かったね……恵美……」
「あなたもね、エルザ……」
恵美は少しだけ安心した。
「でも、あなたには法律なんて関係ないか。だって、あなた……けだものそのものだものね」
「まあ、そういうことね」
エルザの声が楽しそうに弾んだ。
「わたしは、思いのままに好きな男に近づいて、虜にするだけだもの」
「エルザ……」
「でもさ」
エルザは、くすくす笑った。
「浩志の父親を好きになるなんて……恵美のほうがすごくない?」
「えっ……」
「わたしに言わせれば、あんたのほうが、けだものを超えた変態だわ」
「エルザ!」
恵美は真っ赤になった。
「今、そんなこと言うの……やめて!」
「ふん……ぶりっこが」
その声を最後に、エルザの気配がふっと消えた。
「……もう」
恵美は静かに、大きく息を吐いた。
だが、胸の中にはまだ不安が残っていた。
浩志との関係。
勘太郎への想い。
そして、ようやく手に入れた家族。
恵美はしばらく黙って考えた。
「……せっかく、家族三人で一緒に暮らせるようになったんだもの」
小さく息を吸う。
「この関係だけは……壊したくない」
恵美は、自分に言い聞かせるように呟いた。
ページをめくりながら、必死に条文を探す。
まばたきすることさえ忘れていた。
「民法……七百三十四条……」
指で条文を追う。
直系血族、または三親等内の傍系血族との婚姻は禁止されている。
だが、いとこは四親等だ。
「……いとこは四親等……」
恵美は何度も条文を読み返した。
「じゃあ……結婚できるんだ……」
ほっとした瞬間、頭の中にエルザの声が響いた。
「良かったね……恵美……」
「あなたもね、エルザ……」
恵美は少しだけ安心した。
「でも、あなたには法律なんて関係ないか。だって、あなた……けだものそのものだものね」
「まあ、そういうことね」
エルザの声が楽しそうに弾んだ。
「わたしは、思いのままに好きな男に近づいて、虜にするだけだもの」
「エルザ……」
「でもさ」
エルザは、くすくす笑った。
「浩志の父親を好きになるなんて……恵美のほうがすごくない?」
「えっ……」
「わたしに言わせれば、あんたのほうが、けだものを超えた変態だわ」
「エルザ!」
恵美は真っ赤になった。
「今、そんなこと言うの……やめて!」
「ふん……ぶりっこが」
その声を最後に、エルザの気配がふっと消えた。
「……もう」
恵美は静かに、大きく息を吐いた。
だが、胸の中にはまだ不安が残っていた。
浩志との関係。
勘太郎への想い。
そして、ようやく手に入れた家族。
恵美はしばらく黙って考えた。
「……せっかく、家族三人で一緒に暮らせるようになったんだもの」
小さく息を吸う。
「この関係だけは……壊したくない」
恵美は、自分に言い聞かせるように呟いた。

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