気持ちのいい恋
第12章 強さとは・・・弱さとは・・・
カイの思いがけない“ありがとう”に・・・
俺の目が点になる――――・・・
「リクが冷静で――――・・・助かった・・・本当に助かった」
冷――――・・・静・・・?
俺は――――・・・カイの手当てされた拳を綺麗な手で包む
「冷静な訳無いじゃないか!俺は――――・・・俺は!動けなかった、玄関を蹴破って走り出すカイの後ろ姿を見ながら――――・・・その、奥にいる現実が怖かった!
踏み出せない自分が嫌で!嫌でたまらなかった!
冷静なんて、カッコよく言うなよ・・・俺だって、カイの様にアイツを殴りたかったよ・・・
カイ――――・・・お前は強くてかっこいいよ・・・」