雨とピアノとノクターン
第10章 暗躍編:借り
「実に不愉快極まりない」
一言彼が呟くと、通りすがりに一年生にして風紀委員長の浦原誠二が無表情のままで声を掛ける。
「生徒会長の晴れ舞台を砕く絶好のチャンスだというのに、随分と仏頂面なんだな?」
「ここでは話しかけるな、と言っておいただろう?例の計画は上手くいっているんだろうな?君は自信満々に見えるが」
「フッ………起震車の中の家具に仕掛けをした。生徒会長が体験をする際に壊れるようになっているはずだ。そうなったら自ら怪我をし、責任を余儀なくされる」
「……結構。ふふふ。君は本当に頭が良いね。外部からの、ましてや行政の絡んだ行事で失態を見せたなら、我々のせいだとも疑われることもない。楽しみだ…」
二人は言葉を交わしたあと、別々の方向へと離れていった。まさかその階の真上の窓から、井野口颯に会話の全てが筒抜けになっていたとも知らずに…。
一言彼が呟くと、通りすがりに一年生にして風紀委員長の浦原誠二が無表情のままで声を掛ける。
「生徒会長の晴れ舞台を砕く絶好のチャンスだというのに、随分と仏頂面なんだな?」
「ここでは話しかけるな、と言っておいただろう?例の計画は上手くいっているんだろうな?君は自信満々に見えるが」
「フッ………起震車の中の家具に仕掛けをした。生徒会長が体験をする際に壊れるようになっているはずだ。そうなったら自ら怪我をし、責任を余儀なくされる」
「……結構。ふふふ。君は本当に頭が良いね。外部からの、ましてや行政の絡んだ行事で失態を見せたなら、我々のせいだとも疑われることもない。楽しみだ…」
二人は言葉を交わしたあと、別々の方向へと離れていった。まさかその階の真上の窓から、井野口颯に会話の全てが筒抜けになっていたとも知らずに…。