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雨とピアノとノクターン

第2章 出会い編:一年生の風紀委員長

僕は鳴海を見つめた。そして、僕が彼と一緒にいるわけをようやく見つけたような気がしていた。
「……鳴海が変だっていうなら、僕はもっと変かもしれないね…」
「…なんで?なんで佐屋が変なんだよ?」
「だって……君に言われる前から、僕は君が好きだったみたいだから」
 赤い顔をして椅子に座ったまま見あげた鳴海を、僕は抱きしめた。
「…女の子でも、男の子でも…僕はたぶん、鳴海だから好きなんだと思うよ…」
 僕は迷わず目を閉じ、鳴海と唇を重ねた。
 静かな夜だった…。
 そんな夜に反して、僕らは互いを奪いあった。“やりかた知らねぇから”なんて鳴海は言った。それでも、僕らはお互いに繋がりたくて、一つになりたくて
今まで乾いていた心を潤すように、何度もキスをして、肌を重ねた。
 人肌のぬくもりを、泣きそうな想いで確かめ合った。
 鳴海…大好きだよ。
 どうして君は…こんなにあったかいの?
 僕には余裕がなくて…
 鳴海を傷つけてしまったけれど…。
 君の身体と繋がったとき、僕は愛しさで溢れそうになっていた。
 苦しそうな顔で僕の体の下、君は切なげな声を上げた。この気持ちを…愛してるっていうのだろうか。

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