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雨とピアノとノクターン

第5章 ピアノ編:覇者の美学

「詳しく言うと、名前は鳴海悠生。青葉葉学園の1年生ですヨ。両親は他界していて孤独。それでもあんな金持ち名門校に通えるのは、バックに大富豪が付いてるとか、付いてないとか…」
「…そっか…鳴海っていうのか。気の毒になぁ…孤独で苦労してんだろーな、うん。オイラなんか泣けてきた…」
「…………センパーイ!?もしもーし?オレの話聞いてます?だからバックに大富豪がついてるしィ…」
 聞いているのか聞いていないのか…と首をかしげながら、飛坂は話を続ける。
「…で、今は住んでいたアパートを引き払って、同棲してるそーですよ、はっはっは…センパイ、いきなりカワイソー!!」
「てめー!オイラをそれ以上コケにするとぶっ殺してやるからな!アーティスティックになっ!!」
「ぐへへ…首絞めのどこがアートなんですか!?センパイ!!助けて…。それで…ほかにも情報知りたくないんですか?鳴海の…」
 飛坂のその言葉に、思わずオイラは反応して手を止めてしまった。
「一緒に住んでる相手ですが…センパイより1コ下で、生徒会長だそうですヨ。なんでも…ピアノの名手だとか…」

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