
雨とピアノとノクターン
第6章 ピアノ編:完敗?
「……ち……違うって。なんかこんなの、間違ってねーか?お前って、なんのためにこの…母さんのピアノ、大事に持ってんだよ?思い出だからだろ?何、意地張ってんだよ?勝負を断ったって、佐屋はオレの一番だって!!」
オレは…モノなんかじゃねーって…。
どうして、そんなカンタンなことが解ってもらえないのだろう?
「……………ごめん、鳴海。でも…断れっていうのが、無理かな…」
佐屋は鳴海の手を取ると、その甲に口付けた。
「僕は…青葉の生徒会長として、彼の勝負を一旦受けてしまったから、逃げるわけにはいかないんだよ…」
「……だったら、会長なんて今すぐやめろって!そんなプライド、捨てちまえよっ!!そんな佐屋………嫌いだ!!」
鳴海はそのまま家を飛び出した…。背中ごしに自分を止める佐屋の声が聞こえたけれど…。振り向いてなんてやるもんか!
あてもなく歩いていると、いつの間にかバイト先の、上杉タカシの店『BAR Lucus』の前に来ていた。入り口の扉を開けると、相変わらず木製扉の建て付けの悪い、耳障りな音がした。
オレは…モノなんかじゃねーって…。
どうして、そんなカンタンなことが解ってもらえないのだろう?
「……………ごめん、鳴海。でも…断れっていうのが、無理かな…」
佐屋は鳴海の手を取ると、その甲に口付けた。
「僕は…青葉の生徒会長として、彼の勝負を一旦受けてしまったから、逃げるわけにはいかないんだよ…」
「……だったら、会長なんて今すぐやめろって!そんなプライド、捨てちまえよっ!!そんな佐屋………嫌いだ!!」
鳴海はそのまま家を飛び出した…。背中ごしに自分を止める佐屋の声が聞こえたけれど…。振り向いてなんてやるもんか!
あてもなく歩いていると、いつの間にかバイト先の、上杉タカシの店『BAR Lucus』の前に来ていた。入り口の扉を開けると、相変わらず木製扉の建て付けの悪い、耳障りな音がした。
