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雨とピアノとノクターン

第7章 文化祭編:ラストダンス

そんな鳴海の様子が伝わったのだろう。佐屋は優しく微笑みながら彼の耳元で囁いた。
「…あんまり僕にそんな可愛い顔を見せないでよ、鳴海。一生懸命我慢してるのに、襲いたくなっちゃうよ?」
 その途端、鳴海の全身がカーッと熱くなった。オレが思っていることが佐屋にバレてるってこと!?
「……そ…それ…オレ…別に」
「ジョーダンだよ!鳴海が嫌がることなんてしないから」

 ち…違う!違うって、佐屋!!

 学内で誰かに見られてはマズイのは充分解っていた。それでも…それでも

 もう限界だ!!

 鳴海は衝動で佐屋の腕を引っ張った。衝撃で彼が持っていた数冊の生徒会資料とファイルがバサバサと落ちた。
 
 そんなもの、落ちたって構うもんかっ!!
 ガキだって言われたって、子供だって言われたって……。
 好きなものは好きなんだから、しょーがねーだろっ!!

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