雨とピアノとノクターン
第7章 文化祭編:ラストダンス
数日後、文化祭は無事開催することができ、実行委員は慰労の言葉を教師陣から貰っていた。そのなかで、一人、ソワソワとしている佐屋がいた。
ファイヤーストームの点火が行われる時刻に、鳴海をとある場所に呼び出していたからだ。
「…なんとか、間に合うといいけれど。鳴海、待たせたら怖いんだよな…」
佐屋は困った顔をしながらも、とても嬉しそうだった。
実行委員の解散宣言の後、彼は廊下を走っていた。
「なぁ?あれ、会長じゃね?」
「…ホントだ!廊下走ってるなんて…普段はクールなイメージだったけど、めずらしいじゃん?」
「実はオレさ…あの人、ちょっと完璧過ぎて苦手だったんだけれど…、なんか最近、変わったよな」
「やっぱそう思う?オレも思った…」
なんていうか…今のあのヒト、すっげー人間っぽくて身近なんだよね…。
そんな周囲の声など、佐屋は知る由もなかった。ただ、頭にあるのは、鳴海のことのみ…。
「…ごめん!待った?」
「おっせーよ!なんだよ、こんなとこ呼び出しておいて!しかも屋上って…」
「ここだと…誰も来ないし、建物が低いからファイヤーストームが意外と綺麗に見える場所なんだ。火が近くにないから…ちょっと寒いけどね」
佐屋はうやうやしく右手を左胸にあてがい、左手で鳴海の手をとった。
「僕と踊ってくれませんか、鳴海悠生君…?」
「…佐屋」
ファイヤーストームの点火が行われる時刻に、鳴海をとある場所に呼び出していたからだ。
「…なんとか、間に合うといいけれど。鳴海、待たせたら怖いんだよな…」
佐屋は困った顔をしながらも、とても嬉しそうだった。
実行委員の解散宣言の後、彼は廊下を走っていた。
「なぁ?あれ、会長じゃね?」
「…ホントだ!廊下走ってるなんて…普段はクールなイメージだったけど、めずらしいじゃん?」
「実はオレさ…あの人、ちょっと完璧過ぎて苦手だったんだけれど…、なんか最近、変わったよな」
「やっぱそう思う?オレも思った…」
なんていうか…今のあのヒト、すっげー人間っぽくて身近なんだよね…。
そんな周囲の声など、佐屋は知る由もなかった。ただ、頭にあるのは、鳴海のことのみ…。
「…ごめん!待った?」
「おっせーよ!なんだよ、こんなとこ呼び出しておいて!しかも屋上って…」
「ここだと…誰も来ないし、建物が低いからファイヤーストームが意外と綺麗に見える場所なんだ。火が近くにないから…ちょっと寒いけどね」
佐屋はうやうやしく右手を左胸にあてがい、左手で鳴海の手をとった。
「僕と踊ってくれませんか、鳴海悠生君…?」
「…佐屋」