雨とピアノとノクターン
第8章 暗躍編:生徒会長失脚計画
「我が青葉学園の生徒は背伸びをしたがるコドモの集まりのようだ」
薬師寺はまだいら立っている。浦原が自分側に付いているにも拘わらず、いまだに佐屋を生徒会長の職から引きずり下ろすことが出来ていないからだ。
「オレがダージリンを好むことさえ腹立たしいとは、副会長殿も余裕がなさすぎる」
「浦原君、君は一年生でありながら全風紀委員を束ねる職の長である。つまりこの学園の風紀を一切仕切ることの出来る立場にいながら、何故あの《《金髪の忌々しき生徒》》を野放しにしておくのかと聞きたいんだ」
薬師寺は声を抑えながらも、口調はかなりの棘を帯びて訴える。
「野放しにはしていない。目下、勝手に罠にかかってくれるのを待っているだけさ」
「罠だって?!」
薬師寺はそんな話は聞いていない、とばかりに小さく驚いた。
「急に大人しくなったとしても、あの風貌ならいくらでも喧嘩は吹っ掛けられることだろう。だから《《それを待っている》》立場なんだが」
浦原はたとえ薬師寺が年上であっても全く臆さない。むしろ上からモノを言うくらいの態度だった。
薬師寺はまだいら立っている。浦原が自分側に付いているにも拘わらず、いまだに佐屋を生徒会長の職から引きずり下ろすことが出来ていないからだ。
「オレがダージリンを好むことさえ腹立たしいとは、副会長殿も余裕がなさすぎる」
「浦原君、君は一年生でありながら全風紀委員を束ねる職の長である。つまりこの学園の風紀を一切仕切ることの出来る立場にいながら、何故あの《《金髪の忌々しき生徒》》を野放しにしておくのかと聞きたいんだ」
薬師寺は声を抑えながらも、口調はかなりの棘を帯びて訴える。
「野放しにはしていない。目下、勝手に罠にかかってくれるのを待っているだけさ」
「罠だって?!」
薬師寺はそんな話は聞いていない、とばかりに小さく驚いた。
「急に大人しくなったとしても、あの風貌ならいくらでも喧嘩は吹っ掛けられることだろう。だから《《それを待っている》》立場なんだが」
浦原はたとえ薬師寺が年上であっても全く臆さない。むしろ上からモノを言うくらいの態度だった。