雨とピアノとノクターン
第8章 暗躍編:生徒会長失脚計画
翌日、事件が起きた。鳴海が生徒指導室に呼ばれたのだ。他校の生徒と路地裏で乱闘騒ぎになり、近隣の住人が鳴海の顔を覚えていたのだという。
「ぜってーやってねーよ!はァ?なんでオレがそんなことしなきゃなんねーんだよっ!」
鳴海は今までの教師陣からの心象がかなり悪い。もともと不良生徒が皆無なこの学校に鳴海がいること自体が奇跡だった。堺屋源一郎が彼の後見人という恐ろしいほど強固なバックがなければ、彼は数分でこの学校からの立ち入りを禁じられてもおかしくはない存在だ。
「嘘を言ってもダメだ、鳴海悠生!近隣の方からの目撃証言があるんだ。おとなしく認めたらどうなんだ?」
「やってねーものをやったなんて言えねぇよ!だいいち、オレが誰と殴り合いなんてしなきゃなんねーんだよっ!」
「ここまで言っても白を切るつもりか?なら、猛省を促す処分を下す。鳴海悠生、お前を2週間の停学処分にする!」
事情を聞きつけた僕は、放課後すぐに生徒指導の教師の元を訪れた。
「先生、鳴海は事情があって僕の家で暮らしているのはご存じだと思うのですが、僕が知るかぎり彼が暴行事件に加わるなんて、考えられないのです」
「……そうは言ってもなぁ。現に近隣の住人がスマホで写真を撮ったらしいんだよ。見せてもらったら確かに私服だったけれど鳴海本人なんだ。君が彼の面倒をよくみてくれているのは知ってる。だが、これは仕方がない」
「ぜってーやってねーよ!はァ?なんでオレがそんなことしなきゃなんねーんだよっ!」
鳴海は今までの教師陣からの心象がかなり悪い。もともと不良生徒が皆無なこの学校に鳴海がいること自体が奇跡だった。堺屋源一郎が彼の後見人という恐ろしいほど強固なバックがなければ、彼は数分でこの学校からの立ち入りを禁じられてもおかしくはない存在だ。
「嘘を言ってもダメだ、鳴海悠生!近隣の方からの目撃証言があるんだ。おとなしく認めたらどうなんだ?」
「やってねーものをやったなんて言えねぇよ!だいいち、オレが誰と殴り合いなんてしなきゃなんねーんだよっ!」
「ここまで言っても白を切るつもりか?なら、猛省を促す処分を下す。鳴海悠生、お前を2週間の停学処分にする!」
事情を聞きつけた僕は、放課後すぐに生徒指導の教師の元を訪れた。
「先生、鳴海は事情があって僕の家で暮らしているのはご存じだと思うのですが、僕が知るかぎり彼が暴行事件に加わるなんて、考えられないのです」
「……そうは言ってもなぁ。現に近隣の住人がスマホで写真を撮ったらしいんだよ。見せてもらったら確かに私服だったけれど鳴海本人なんだ。君が彼の面倒をよくみてくれているのは知ってる。だが、これは仕方がない」