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雨とピアノとノクターン

第8章 暗躍編:生徒会長失脚計画

「大我はかなり素行が悪く、中学の時から補導歴があります。さすがに少年院に入るほどではありませんが、強くエリートを憎んでいる性質であるため、佐屋様などに危険が及ばぬよう、私も警戒していた人物です」
「……そうだったのか。ははは、実は以前、すでに彼にボコられそうになった」
「なんですと!?許せません…ただちに闇に乗じて報復を…」
 井野口に遭遇した経緯を伝えると、知らなかった自分の不覚にショックを受けたようで、すぐさま報復を口にしたところを慌てて止めた。
「君は気にしなくていいんだ、井野口。四六時中僕をガードするなんて無理にもほどがある。そういう主従関係は僕らの代で止めようと思っているのに」
「佐屋様がたとえそうであっても、井野口家では許されません」
「………言うと思った。だから、たまに僕の手伝いをしてくれるのなら、喜んでお願いするから。ありがとう、井野口」
「……もったいないお言葉です。では、少々坂下大我に探りを入れてみます」
「うん……頼む」
「承知しました」
 

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