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雨とピアノとノクターン

第10章 暗躍編:借り

「………ちょっ……やめっ!!」
 布団を捲り上げられて怒りが頂点に達した鳴海は布団を元に戻そうとした手を遮られ、そのまま佐屋に手首を掴んで押し付けられた。
「……おい、いい加減にしたらどうだ」
 佐屋らしくない低い声で彼は鳴海の顔に寸前まで近づいた。
「……んだよ?やんのか、こら?」
 鳴海の態度に佐屋は少しも躊躇することもなく、彼はふいに鳴海の服を剥ぎ取り始めた。
「ちょ……何しやがるんだよっ!離せ!服返せってっ!」
「いつまで甘ったれているんだ?君はいつまでたっても自分で幸せになる努力から逃げようとする。そんな舐めた態度なら、僕に幾らでも蹂躙されたって構わないだろ?」
「なんなんだよ、それっ!バカ!やめろっ!!」
「止めるわけないよ、甘ったれのクソガキ!!」
 佐屋は鳴海の動きを手足で抑えつけ、自分もせっかく着替えた制服の襟のボタンを外し、それを脱ぎ棄てた。

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