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万華鏡トワイライト

第5章 万華鏡トワイライト

朝日が昇り、空がかがやき、そして夕日が沈む。
月が満ちては欠け、星は輝き、そして空がきらめく。

動物たちが目覚め、緑が目覚め、活発に活動し、輝き、そしてまた眠りにつく。

蕾がふくらみ、花が咲き、満開になり、やがて散る。
散り際も、また花それぞれ…。

変わり続ける空。
夕焼け空と、夜の闇が混ざり、薄紫とピンクがかったオレンジ色のグラデーションは、日が沈むとともに徐々に濃く暗く藍色に近付いていく。

流れ続ける川。
川に落ちた葉っぱを花びらを巻き込み川下へと運びながら、時に岩にぶつかり、しぶきをあげて、ただただ流れてゆく。

風にそよぐ樹々。
ざわざわ、さわさわ。葉が揺れ、枝がしなる。
時に花を散らし、実を揺らす…。

短い時間の中で、激しく変わる景色。
長い時間をかけて、ゆっくりと変わる景色。

朝昼晩で景色が変わる。
春夏秋冬で景色が変わる。

繰り返し、くりかえし。何年も何十年も何百年も…。
万華鏡の中の景色のように。

いま、ここに見えるもので、千年後の景色の中に残っているモノはあるだろうか。
いま、ここに見えるもので、千年前の景色の中から続いてきたモノはあるだろうか。

同じように見えても何かが違う。
まったく同じものは無くて―――。

地球は万華鏡。宇宙も万華鏡。
景色は美しく、絶え間なく―――かわり続ける。
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