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彩子「ボス！ありがとうございます！」

流川「無事だったか？」

彩子「それが…」


彩子は　俺の両親の遺体を見ながら
言った。


流川「そうか…」


俺はずっと　両親の遺体から
離れていなかった。

その男は　俺のすぐ傍に来て
俺と同じように　膝を付いた。


流川「悪い…遅くなった…」

三井「ひっく…ふえ…」


涙がボロボロと出てくる。
俺の体ごと　抱き寄せる。

お前が遅くなったせいじゃない。
父さんと母さんが　命と引き換えに　
俺を守ったんだと思っても
泣いたんだ。俺は。

俺がΩだと診断したどきも
親戚中がΩ専用の施設に連れていけと
言われても　両親は
俺を庇って　施設には入れなかった。

こんな良い両親がマフィアの一員だと知っても
両親は　俺を守ってくれた。

昨日の朝まで　俺を抱き締めてくれていた
両親は　もういない。

すると　敵ボスが言い始めた。


「これがお前の運命(さだめ)だ。」だと。


流川「連れて行け。」


俺の運命(さだめ)…？
Ωだからって　両親を亡くすのが？

よく分からなくなってきて
気を失った。


気を失った俺を抱き受け止めて
そいつは　無言だった。