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月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第12章 メテオシュタイン


ダイアナが格納庫へ引き返し、コーエンとキアラもそれに続こうとしたその瞬間!



ターーーン!


ターーーン!



乾いたような銃声!



ダイアナが反射的に姿勢を低くして振り返る


コーエンも同じく、低く屈む


「………は  ァ   ッ  !」



と、目を見開いたまま頭から倒れたのはキアラだった!



「き、キアラーーーーッッッ!!!」



コーエンが慌ててキアラに駆け寄る


ダイアナは屈んだ態勢で腰のホルスターから携帯銃を取り出すと、皆の後方に位置する通路目掛けて発砲する



何者なのか、まったくわからない

だがダイアナは反射的に同一線上に動く影を捉え、あきらかに銃を持った男の姿を確認して2発目、3発目と続けざまに発砲を繰り返した


相手が連邦軍なのかジオンなのかわからない


ただ、相手の攻撃を封じるには相手を倒すことが必勝なのだ


ダイアナの数発の射撃のいくつかが命中していたようだ


男はうずくまって身悶えている


男が手放してしまった銃を蹴り上げ、追い打ちに無抵抗の男の脚に狙いをつけて容赦無く発砲した


男が絶叫したあと、ダイアナは倒れた男の顔面を蹴った



そこで相手が抵抗する意思を失ったことを確認してからキアラとコーエンのほうへ視線を飛ばす


倒れているキアラ

寄り添うコーエン


ダイアナはその光景を見て、さらに怒りが沸騰した



「子供を撃ったな、お前ッッ!!」



ダイアナは男の手のひらを踏みつける



男はひぃっと声をあげる


ダイアナは再び銃口を向ける


「連邦軍かッ!」


「そ、そうだ! 連邦軍の諜報だッ!
 抵抗しないから撃たないでくれ!」


「小さな女の子を撃っておいて、自分は命ごいかッ! 恥をしれッ!」


ダイアナは撃たなかったものの、男の手のひらを踏みつけたまま脚をどかさなかった


「し、仕方なかったんだ!その子供が標的だったんだ!本当だ!」


「なぜ、狙う? 今は脳のアドレナリンが沸騰している、撃ち殺しそうだから正直に言え」


「き、強化人間の子供を始末する任務なんだ!
 それとそいつが動かす巨大なマシーンと!」


ダイアナはグラナダの地下倉庫から出てきた巨大な戦艦を知っていた……





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