月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜
第12章 メテオシュタイン
先に気が付いたのは少女のほうだった
走っていた少女と青年だったが、ダイアナに気付いた少女は方向を変えてダイアナのほうへ駆け寄ってきた
ダイアナもたじろぎながらも少女の顔を凝視する
「え…? な、なに…?」
少女のほうもダイアナの顔を見つめてくる
「あなた、前に会ったことあるよね?」
「…ええッ!?」
少女がまとめていた髪をほどいて垂らすとダイアナもあっ!と声をあげた
「やっぱりな、あなたスコットたちと一緒にいたパイロットでしょ?」
「キアラ、知り合いかい?」
隣りにいたコーエンが声を掛ける
「キアラ? キミ、グラナダの格納庫の?」
「気がつくのが遅いな、よくそんなので軍人やっていけるな?」
「軍人? この人が?」
コーエンは初対面のダイアナが軍人と聞いて身構える
「おいおい、私はパイロットだけど軍人じゃないぞッ!? スコッティと同じテストパイロットだ」
「そうだったかな?久しぶりだな、こんなところで、何をしている?
いや立ち話しはよそう、私たちは追われているんだった」
「逃亡者はタイヘンだな、スコットとクレアはどこだ?一緒じゃないの?」
「一緒だ、だが今は別行動なんだ、それよりあんた顔色が悪いぞ?大丈夫か?」
「あんた呼ばわりするな、ダイアナだ!
ダイアナ・ギルスベルゲン!
追ってくるのはネオ・ジオンか?連邦か?」
「どちらもだ!後ろから来るのはとりあえず連邦の秘密工作員だ、暗殺部隊だな
こんな見通しのいいところで話し込んでる場合じゃないんだけどな」
「追手から逃れるには、、、
何も無い〈空間〉
がいいんじゃないか?
ついておいでよッ!」
ダイアナは気力を振り絞ってもと来た格納庫のほうへ向かった
それにキアラとコーエンもついて行った…