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月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第16章 ドミニク隊


ロンド・ベル隊はモビルスーツ戦による抗戦と並行してアクシズに潜入

アクシズ内部から破壊して地球への落下を阻止しようとしていたのだ


分割されていくアクシズ


コーエンたち〈ストーム〉の岩塊のまわりにもアクシズから剥がれ落ちた無数の岩が迫っていた


「コーエン、もう無理よ!退避しないと!?」


「退避と言っても、もうボクたちには脱出する術が……」


そのときスコットは提案した


「コーエン、キミの〈チャーム〉を返すよ、

 これで前線を脱出してくれ!」



「スコット、キミはどうするんだ?」


「俺はもともとキアラを地球に送り届けるのが使命なんだ、このまま〈ストーム〉に戻って大気圏を越える、さぁキミたちは行け!」


スコットのGフューリーが指差す方向にゆっくり滑空する〈チャーム〉の姿が確認できた


キャロラインは3号機の〈チャーム〉とリンクさせると地表を蹴って宙に飛んだ


そこへ〈チャーム〉が飛んできてタイミングを合わせて合体する


「ありがとう、スコット!キアラをお願いします!」


「さようなら、コーエン!運があったらまた会おう!」



2体のGフューリーはこうして別々の道へと別れていった


残ったスコットはいつまでも宇宙空間を見続けていた



それは背後に迫る脅威に気づかなかった



全身がショートし火花を散らすギラ・ドーガが襲ってきたのだ!


ビームサーベルで斬りかかってくる!


「……しつこいぞッ!」


「……お前達のお陰でドミニク様の部隊は全滅だよッ!  ゼ、ン、メ、ツ!!

 ただじゃ死なないよ、お前も道連れだよ!!」



スコットは正確にギラ・ドーガのコックピットをライフルで撃った


だが


至近距離からのビームサーベルをかわすことが出来なかった


無惨にもGフューリーはまともに一太刀を受けてしまい、崩れ落ちた


スコットは狭くなったコックピットに押し潰されていた


ほとんどのディスプレイはブラックアウトしてしまっていたが、かろうじて正面のカメラだけが生きていて爆発するギラ・ドーガの最期を見届けた


肩から腕は機械に挟まれぐちゃぐちゃになっている


痛みはもう無かった……



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