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月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第1章 月面基地グラナダのテストパイロット

漆黒の世界


宇宙の色は深い黒 


常に夜の世界


荒れた岩肌スレスレを2機のモビルスーツが滑空している


2機は互いに光を放ちながらクレーターの中を超高速で進んでいた


モビルスーツの形式は判別されないように鉄板で覆われている


軍事パパラッチに撮影されないためにカモフラージュされていた


つまりこの2機は非公式な機体であった



2機はエンジンの臨界の限界値まで噴かしている


ピピッッ!!


コックピットには通信のシグナルが入る


「スコット、今日のベストタイムだ」


問いかけられたパイロットは加速重力に耐えながら、笑った


「まだまだ…! まだイケる!」


ピピッッ!!


今度はヘルメットのディスプレイから別のシグナルが入る


共に飛行している僚機からだ



「スコット…! ここまでだ、俺の機体がバラバラになりそうだ」


スコットはチッ、と舌打ちをする



「チャーリー!チャーリー!チャーリー!
 バカなこと言うな!これぐらいでギブアップしてみろ?次の仕事は来ないぞッ!」


スコットは僚機の制止を振り切って、さらにスピードを上げていく


「やめろ、スコット!お前の機体も吹き飛ぶぞッ!死ぬ気か!」



スコットは無視した


だがコックピットの震動も限界が近い


バラバラになるのも時間の問題だ


ビーー!!ビーー!!


警告ブザー!



「2時の方向から接近する機体があるッ!」


「スコット、ヤバいぞッ!」


コックピットの全周囲モニターに表示される接近機


すぐに小さなウィンドウが現れ、拡大画像を出す


「なんだ…!? デカいぞ??」


「スコット! 相手も試作品だ、戦艦のような大きさだッ!?」


「いや、チャーリーよく見ろ、画面に表示されている……“アルパ・アジール”??
 知らない機体だ……モビルアーマーなのか?」


「スコット、こちらも見られたらマズいんだ、引き上げよう」


ビーー!! ビーー!!


新たな警告ブザー!



「チャーリー!遅かったな、新手が現れたようだ」


同じく2時の方向から現れたのは量産型のモビルスーツ

「ギラ・ドーガだッッ!!」


どうやらアルパ・アジールのテスト飛行のガード部隊のようだ


「やり合うわけにはいかないな」


2機は撤退するしかなかった

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