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からくも脱出したスコットとダンの1号機は運搬トレーラーと合流してグラナダ市のアナハイム訓練基地に帰還できた


随伴機合わせて４機の訓練だったが、実戦に巻き込まれ帰還できたのは一機のみ


無人の随伴機は放棄せざるを得なかったが、２号機の損失は計り知れない


貴重な人材が２名も失われてしまったのだ


病院の手当ても受けさせてもらえず、帰還した二人は状況報告を求められる


記録はこれから解析されるだろう


同僚を失った二人の生存者は動揺し、落胆した


特にスコット・イアンは大きな重責を感じていた


…もっと早く気付けていれば、

…もっと早く行動出来ていれば、


スコットは消灯した廊下に座り込んで立ち上がれなかった


基地内は蜘蛛の巣を突付くような大騒ぎとなっているが、シミレーションルームのブロックはすべて一時閉鎖されとても静かだ


残業が終わらないクレア・サンデリアもオペレーター職として帰還機体の解析チームに回されていた


深夜、ようやく職場を離れようと廊下に出たとき崩れ落ちているスコットの姿を見て悲鳴を上げた


「スコッティ！スコッティ！」


「……クレア？」


「あなた何をしているの！？ゆっくり部屋で休養するよう伝えられていたんじゃ無かったの！」


スコットは下を向いたまま、顔を上げられなかった



「ぼ、ボクはヴァレリーたちを守ってやれなかった……」


「何を言ってるの！あなたが帰還出来ただけでも奇跡なのよ、２号機は残念だったけど、それはあなたが悔やむような事ではないのよッ！」


「一瞬の事だったんだ…、クレア」


「ああ、スコッティ！スコッティ！
　可哀想なスコッティ！
　誰もあなたを責めたりしないわッ！
　休むのよ、スコッティ」


クレアは落ち込んでいるスコットを優しくハグしてやることしか出来なかった