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月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第6章 逃走

コンコン

「お待たせ」


ホテルのドアを開けるとそこに立っていたのはスコットの同僚チャーリー・ベナンテとエースパイロットのダイアナ・ギルスベルゲンの2人だった


「ごめんね、ダイアナ」


「いいって!それより真面目そうなクレアがスコッティとこんなことになってるのが意外だわ」


ダイアナは脱いだ上着をクレアに手渡す


チャーリーも脱いだジャケットをスコットに渡した


「ホントだぜ、スコッティなんて女っ気なかったのにさ」


服を交換してスコットはチャーリーに扮し、クレアはダイアナに扮した


「バレバレじゃない?」


「その時はその時さ!時間稼ぎできたらいいんだから!」


「じゃあ、俺たちはここでゆっくり楽しみますか!」


「バーーカ!やることはまだまだあるんだよ!忙しくなるよ、チャーリー」


「ありがとうダイアナ」


「気をつけてねクレア、スコッティ!クレアを頼んだわよ」



「わかってる」


スコットとクレアは扮装して部屋から立ち去った



「いいなぁ、恋の逃避行」


「命がけのね」


代わりに部屋に居残ったチャーリーとダイアナはそれぞれ友人に電話をかける


「こっちは上手く行った、手はず通り頼むよ、2人が通れるように撹乱してくれ、じゃあな

 さてと、もうちょいしたらここも離れますか!」


「発煙筒はカバンの中よ、うまく逃げられたらいいけど」



「大丈夫さ」


数分後、ホテルの廊下は煙が充満し、非常ベルがけたたましく鳴り響いた


外で張り込んでいた公安の男たちが慌てている


先に部屋を飛び出していたチャーリーとダイアナは隙を見て建物から逃走した


ちょうどその頃、グラナダの公共施設ではチャーリーたちテストパイロットの仲間たちが軌道エレベーターやショッピングモール数カ所に発煙筒をまき散らす


街は大混乱となった


「向こうも始まった」


「私達も急ぎましょう」


ダイアナたちは電動カーでアナハイム社の試作機工房へ向かった


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