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月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第7章 キサンドリアの反乱

「……船? コイツの事か?」


幼い少女は大人のような笑い方をした


そして部屋の真ん中に位置する操縦席まで歩くと、コックピットシートをガンっ!と蹴った



「コイツは船なんかじゃない!
 モビルアーマーをさらに超越した大型マシン〈ストーム〉だ」


「ストーム……?」


ダイアナはテストパイロットの中では優秀な能力を買われて、次々と新型だったりカスタム機などを任されてきたが、そのような名称のマシンなど聞いたことが無かった


また、通常のモビルスーツより大型な戦略兵器モビルアーマーより、さらに巨大なマシンならば直接関わらなくとも話題にはなった筈だ


ダイアナは死の商人アナハイム・エレクトロニクス社の底しれぬ闇の部分を知ったように思える



「キミはどうしてこの〈ストーム〉に乗っているの?」


スコットは歳下の女のコに話しかけるよう優しく問いかけた


「私は〈オルタナティブ・キアラ〉

 〈ストーム〉を正当な継承者に譲渡するまで管理している」



「オルタナティブ・キアラッ???」


「正当な継承者って……?」


「……おい、話し込んでる暇は無いぞッ!
 ネオ・ジオンの奴らがそこまで来てる」



皆がどう行動したら良いのか、散漫になっているとき少女はゆっくりとコックピットシートにまたがった



「……ふん、ギラ・ドーガか!
 しつこい連中だ、何度来ても同じだと言うのに」



少女がコンソールを操作するとディスプレイが次々と輝き始めた


〈ストーム〉が起動していく



スコットたちの足元が地響きを感じる


「どうするつもりだ?何をする?」


少女はスコットの言葉を無視して操作するトリガーを引いた


画面のエネルギーゲージが一気に上昇すると、またたくまにまばゆい光に包まれた



バシューーーーーー!!!!!!




「うわぁぁぁぁーーーーッッッ!!!」




視界を遮る光り


ようやく見えてきたのは崩れ落ちた天井



廃工場のフロアや屋根材とともにギラ・ドーガやアナハイムの試作機たち、敵味方の区別なく融解してドロドロと落ちていく光景が見えた



外の様子はマグマの中のようだ


近距離でのメガ粒子砲!



「……な、なんてことを……!!」



スコットたちはこの恐ろしい兵器の力を目の当たりにし、恐怖した 

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