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月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第8章 月の街「アガルム」

月〈ムーン〉


太古の世界


太古の地球に巨大な星〈ティア〉が衝突した


〈ティア〉は地球の表面だけでなくマントル層まで届き、えぐり取ったまま分解された



地球の高温のマントル層ごと宇宙空間に投げ出された〈ティア〉の残骸は地球の重力に囚われて周回軌道を周り続ける



それらの残骸は衝突を繰り返し、やがて巨大な衛星〈月ムーン〉となる



月は自転と公転がほぼ同じ為、常に地球に対して同じ面を向けている



月の裏側は決して地球からは見えない



月の裏側の都市〈グラナダ〉はそうした場所に作られた



それに対して月の表側には〈フォン・ブラウン市〉が建設される



どちらも連邦政府が管理する巨大な基地都市だ


いつしか表のフォン・ブラウンは地球連邦軍の主力基地となり、


裏のグラナダは地球から目の届かない軍勢がはびこるようになる



この時代、エゥーゴを母体とした連邦軍、特に主力軍ロンド・ベル部隊はフォン・ブラウンを拠点とし


暗躍するダイクンの息子が率いるネオ・ジオン軍は秘密裏に月の裏側グラナダで勢力を広げていた



巨大企業アナハイム・エレクトロニクス社はそのどちらにもルーツを持つため同じ組織の中でも連邦軍派とネオ・ジオン派が同居することになる



また連邦政府に不満を持つ月の民衆からは反地球組織が暗躍


〈キサンドリア〉と呼ばれる彼らは連邦政府に所属しながらもネオ・ジオンを支援する団体として強く民衆から支持されていた



そして



地球から見て月の表側、フチの部分である〈危難の海〉と呼ばれる最東端に月面都市〈アガルム〉がある


〈アガルム〉は地下資源を発掘する鉱山開発を主体とする地下都市で、空の端には地球が、反対側の空には漆黒の宇宙空間が広がる

まさに「月の外縁部」に位置する街だった



スコット・イアン、
クレア・サンデリア、

そして〈オルタナティブ・キアラ〉と名乗る幼い少女の三人が潜伏していた…



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