月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜
第8章 月の街「アガルム」
翌朝、クレアは朝食もとらず宿から出ていった
スコットとキアラは朝からテレビをつけっぱなしにして、手元の端末でグラナダのニュースをチェックしていた
不用意なワードで検索は出来ない
万が一検閲があって探知されてしまう危険がある
ワード検索は使わず、ひたすらネットサーフィンをして次から次に画面を見ていく
ときおりダミーで無意味な画面をひらいたりもする
退屈になってきたのかキアラはスナック菓子を頬張りながら部屋を歩き回り、窓の外を眺めたりしていた
地下都市になっている鉱山の街〈アガルム〉は大きな月のクレーターに蓋をして半人工的なドームとなっている
宿の窓から空を見上げても星空は見えない
ましてや宿のある階層もけっこう深い場所なので地上までは距離がある
窓の外には相変わらず朝から騒がしい露店のテントがずらりと並んでいる
夜の露店とは少し変わり、朝の軽食のスタンドやらフルーツや野菜の市場などが見える
「何か食べに行こうよ」
キアラが外世界へ行きたそうにしている
「出るのはいいけど……、万が一があるから扮装しておかないと……」
「用心深いんだなスコットは!
夜は緊張感無さそうに呆けていたのにさ」
スコットはギョッ!とする
「な、なんの話しだよ?」
「まさかわたしが同じ部屋に居てるのに二人が始めてしまうからさ、
ああ、この人たちはけっこう神経が図太そうだと思ったの」
スコットは子供に突っ込まれても返事のしようが無かった
「まぁ、いいんだけどさ、面白いもん見れたし」
「ごめん、気をつけるよ……」
「逃避行が刺激になるときもあるらしいしねぇ
そうやって刹那的な状況を楽しむのはキライじゃない」
「子供のくせに、何言ってんだよ」
「スコットだって子供みたいなものじゃない?」
キアラは笑った
笑顔の少女は年相応のように思えるのだった……
スコットとキアラは朝からテレビをつけっぱなしにして、手元の端末でグラナダのニュースをチェックしていた
不用意なワードで検索は出来ない
万が一検閲があって探知されてしまう危険がある
ワード検索は使わず、ひたすらネットサーフィンをして次から次に画面を見ていく
ときおりダミーで無意味な画面をひらいたりもする
退屈になってきたのかキアラはスナック菓子を頬張りながら部屋を歩き回り、窓の外を眺めたりしていた
地下都市になっている鉱山の街〈アガルム〉は大きな月のクレーターに蓋をして半人工的なドームとなっている
宿の窓から空を見上げても星空は見えない
ましてや宿のある階層もけっこう深い場所なので地上までは距離がある
窓の外には相変わらず朝から騒がしい露店のテントがずらりと並んでいる
夜の露店とは少し変わり、朝の軽食のスタンドやらフルーツや野菜の市場などが見える
「何か食べに行こうよ」
キアラが外世界へ行きたそうにしている
「出るのはいいけど……、万が一があるから扮装しておかないと……」
「用心深いんだなスコットは!
夜は緊張感無さそうに呆けていたのにさ」
スコットはギョッ!とする
「な、なんの話しだよ?」
「まさかわたしが同じ部屋に居てるのに二人が始めてしまうからさ、
ああ、この人たちはけっこう神経が図太そうだと思ったの」
スコットは子供に突っ込まれても返事のしようが無かった
「まぁ、いいんだけどさ、面白いもん見れたし」
「ごめん、気をつけるよ……」
「逃避行が刺激になるときもあるらしいしねぇ
そうやって刹那的な状況を楽しむのはキライじゃない」
「子供のくせに、何言ってんだよ」
「スコットだって子供みたいなものじゃない?」
キアラは笑った
笑顔の少女は年相応のように思えるのだった……