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月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第9章 チャームフューリー部隊

月の表側


地球から見て北東に位置する〈危難の海〉


連邦軍の主力基地フォン・ブラウンが位置する赤道付近の〈静かな海〉にほど近い外縁部だ


そのフォン・ブラウン基地から派遣された3機のマシン


航空機形態のまま月面を滑空していく


眼の前には玄武岩の黒い地表のクレーター


クレーターの外縁を通り越す


遠くには幾つかの半円球ドームが見える



「見えたぞ!あれが〈アガルム〉の街だ!」


「では予定通り分かれよう、01機が中心の自治政府ブロック、02機は農場プラントドーム、03機は鉱山ドームだ

 ドーム捜索の前に必ず周囲のチェックを怠るなよ?カタストロフマシンが潜んでいる筈だ!」


「マーティン隊長は心配症だな?何度も打ち合わせしたじゃないかッ!?」


「ルーカス、お前が一番心配なんだッ!せいぜいトラブルを起こすなよ?」


「そうだ、ルーカスは前にもミスしてトラップをバラしちまったからなぁッ!あれはサイコーだった!腹がよじれそうに笑ったッ!」


「うるせぇな、マティスだっていつも機体をオシャカにしてるじゃねぇかッ!今回の新型はさすがに壊したら怒られるぞッ!」


「ちょ、ちょっとルーカス!そう言わないでくださいよ!マティスのこないだの自損はボクの為にフォローしてクラッシュったんだ、あんまり責めないでくださいよ」


「コーエンの坊主!それはもういいってッ!
 あんときお前は本当にヤバかったんだ、あれは仕方ねぇって!」


「みなさん、もういいでしょ〜ッ!あとで合流しましょ、じゃぁねぇ〜ッ!」


「あぱよ、キャロライン」

「またねキャロラインさん」

「隊長、キャロラインに手を出すなよ」

「あら、私は隊長なら良いんですよ?」

「バカ言うな、お前と歳の変わらん娘がいるんだ」

「隊長、マジになるなって!じゃあな」


3機からは複数の声が聞こえる

この高速で滑空するマシンは複座式で2人づつ乗り込んでいた


3機はアクロバティックにぐるぐる回り込むようにサーカス飛行をするとバッ!とそれぞれに離脱して飛び去ってしまった


フォン・ブラウン基地から〈ストーム〉捜索に駆り出された実験機の小隊


〈チャームフューリー部隊〉がアガルムの街へ迫る


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