テキストサイズ

月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第9章 チャームフューリー部隊

クレーターの西側、いちばんフォン・ブラウンに近い農場プラントドームに向かったのはルーカスとマティスのベテランコンビの機体だ


シミレーション通りドームへは近付かず、周囲の探索を始める


クレーターの縁に近いドームなのですぐ近くに外縁の巨大な崖がズラリと続く


「いちばんアヤシイのはここだよなぁ…」


「だろーな、街へ近付くにしてもまずはここに機体を隠すだろう」


「二手に分かれるか」


「ああ、〈チャーム〉から〈Gフューリー〉を離脱させる、〈チャーム〉は俺がコントロールする、〈Gフューリー〉のほうはマティスに任せるぜ?」



航空機形態の下部から脚が飛び出してくる


そして中央から腕が伸びる


航空機形態の後部がズルリと脱げるように分離する



後部はそのまま機体から頭部を引き上げ、モビルスーツ形態となった


前方に飛び去った航空機形態の全部も頭と腕を伸ばすが、脚の部分は無くブースターのままだ


上半身がモビルスーツ、下半身が航空機の形態
〈フリューゲル〉タイプだ


実験機は複座式モビルスーツの〈Gフューリー〉と遠隔操作のフリューゲル〈チャーム〉に分離合体する試作機だ


アナハイム・エレクトロニクス社のフォン・ブラウン工場が開発した機体で、高速移動と格闘を想定させたものだ


同じく〈リ・ガズィ〉のコンセプトと遠隔無人のファンネルのシステムをミックスさせた実験機となる


〈リ・ガズィ〉のBWSバックウェポンシステムをさらに強力な兵器として〈フリューゲル〉化させた


さらに複座式にしたことにより、無人機の〈チャーム〉と共に複雑な連携攻撃を実現させた


つまりこの小隊は3機で行動し、6機に分裂出来る部隊だった



モビルスーツ〈Gフューリー〉はマティスが操縦し、無人のフリューゲル〈チャーム〉はGフューリー内のルーカスが遠隔操作する



2機はそれぞれ南北に別れ、クレーター外縁部の崖を探索していく



崖は大半が影に包まれており、隠れるには最適だろう


崖は複雑な形状のうえ、いたるところに崖が崩れ落ち洞窟のような場所も散見される


隠れるには絶好の地形だ


「この穴はでかそうだ、入ってみよう」


モビルスーツ〈Gフューリー〉は漆黒の洞窟へ入っていった……




ストーリーメニュー

TOPTOPへ