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月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第9章 チャームフューリー部隊


これから数日間は潜伏生活が続く


顔を見られていないコーエンはともかく、

追跡されていたキャロラインは間違いなく顔バレしているだろう


それにふたりの〈連邦軍〉としての立ち振る舞いが相手にバレてしまうのではと懸念される



宿屋の主人の協力も得ながら、外には出ず

情報収集と体力温存に専念した



コーエンは今回の潜伏生活でキャロラインとこんなにも長い時間を過ごした事が今まで無かった



同じ小隊のメンバーとは言え


コーエンからすれば新兵であったし、皆と付き合いの期間が短い


それゆえに他のメンバー同様にキャロラインと深く話しをしたことすら無かった


10歳以上歳上のキャロラインだが、案外かわいい仕草をするのだな?と思わせる事が何度もあった



もっと厳しい先輩かと思っていたが、


案外気が緩みすぎる瞬間があったり、


抜けたところもあってか、コーエンは身近に感じるようになった



それは


キャロラインからも同じで


まだ学徒兵のような子供のコーエンに


絶大なる信頼が生まれつつあった


それは情報収集の仕事の面だけでなく、


身の回りの世話をしてもらいながらも


彼から妙なプレッシャー)ストレスを与えてくることは無かったからだ


恋愛とは違うのだが、それよりもさらに身内感が高まっていった



調子に乗って、肌をさらすタイミングでも大胆に振る舞えるようになっていく


もしかしたら異性というよりは弟のように捉えてしまっているのかもしれないが

それでもキャロラインの拠り所となっていったのだった



それが〈綱渡り効果〉なのかどうかはわからないが、


少なくとも互いに支え合える関係になっていったのだった……



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