テキストサイズ

クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜

第9章 黒海海戦


コールドスリープのカプセルにたくさんの少女たちが発見された1時間後、母船ゾーナタに戻ったスティーブ・グリメットとヨハネス・リアリティは医務室で治療を受けていたクレア・サンデリアナに事情を聴くことになった


頭を強打していたクレアはベッドの上で、頭も腕も包帯だらけになっていた


看護チームのジェニファーからは面会は30分程度に、と釘を刺されていた


「ご機嫌はいかがかな、クレアさん
 いくつか質問をしたいのだけれど、大丈夫だろうか?わたしはこの船の司令官ヨハネス・リアリティ、今は連邦空軍がキミたちを保護しています」


ヨハネスはやさしく語りかけた
後ろにはホーンキスト船長とスティーブ・グリメットも控えている


「ありがとうございます、ミスター
 戦闘で壁に叩きつけられてしまって…、
 あの男の子と女の子は無事なのかしら?」


「ええ、もちろん!彼らは私たちの使者でした
 今は貴女と同じように治療を受けていますからご安心を、ミセス」


クレアはミセスと呼ばれた事に“きっと月での販犯罪履歴を見られたのだわ、私はこのまま月に強制送還される”と思っていた


スティーブがそこに割って入る

「うちの娘を気にかけてくれてありがとう、ミセス・クレア!そのひとことで貴女が優しい人だとわかりましたよ!私はスティーブ・グリメット!あの子の父親です!うちの娘を助けてくれてありがとう!」


スティーブは大人があまり見せないような無邪気な笑顔をしていた


「助けていただいたのはこちらのほうです、わたしにはあの兵器はコントロール出来なかった…、ようやくあそこから出られて正直ほっとしています」


「あなたはあの船にどうやって関わっていたのです?クレア」


「名前だけじゃなく、私の素性も調べたのでしょう?私をとらえて、宇宙へ送り返しますか?」


クレアは不安をそのまま投げかけた


「うーん、あなたが望むのならそれもひとつなのですが、月から降りてきたのだから何か目的があったのでしょう? ちなみに貴女に指名手配はされていますがあくまで月でのこと…、ここは地球です、事情によっては私たちが保護したり目的のために協力も出来るかもしれません」


クレアは月面での逃走劇を語り始めた


エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白いエモアイコン:共感したエモアイコン:なごんだエモアイコン:怖かった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ