クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜
第13章 カンドゥラ沖の戦い(仮タイトル)
リジー・メジー率いるステンドグラス隊の残存兵が黒海沖の高度上空位置から空爆を仕掛けようとしていたとき、イスタンブールでは大型飛行母艦〈イビザ〉が到着していた
イスタンブールの待ちのはずれ、急斜面の上層部にゼントリックス軍の管理部門がある
ビルの最上階の一室、書斎のチェアに深くもたれかかって天を仰いだままハルフォード提督は動かなかった
そこへふたりの将軍が入室してきた
オーロラ・ニーシュラとエミリー・バリーだ
「ハルフォード提督! 作戦通りムーンブレイドを黒海沿岸まで移動させております、到着は数刻かと……」
「……そうか」
ハルフォードはそれだけ言葉を発すると再び黙りこくってしまった
業を煮やしたエミリーが鼻息を荒げる
「作戦では海洋上から敵ゾーナタを追い込んでムーンブレイドをぶつける予定です、
……ですが既にステンドグラス隊の艦艇部隊は壊滅、残されたリジーたちが決死の思いで任務を遂行しようと飛び立っています!
どうして残存部隊を集結を成されないのですかッ!?このままではリジーたちが犬死にしてしまいますよ?」
ハルフォードは部屋の天井を眺めながら放心している
「……提督?」
「エミリー、オーロラ……、わたしには残された時間が少ない
薬は痛みを和らげてはくれるが病魔から救ってくれるわけではない
それにジョー・ディビィーズ、アビゲイルまでも失ってしまった……
念願のカタストロフマシーンと〈キンバリー・チルドレン〉の技術を手にしたものの、もうわたしには時間が無いとはな……
運命とは残酷なものだ
リジーたちにはゆうべ最後の支援をさせた
さらに沿岸には地上部隊を待ち構えさせてある、あとはムーンブレイドが到着すればゾーナタを落とす事が出来るだろう
だがリジーたちからの報告ではゾーナタはカタストロフマシーンを率いていないのだと言う
ヨハネスは此処にきてさらにもう一手わしより先手を打ってきているようだ
だがワシには次なる手を打つ順番が回ってきそうにない……
エミリー、オーロラ、そしてリジー
残念だよ」
「提督、なにを弱気な……」
語気を強めているエミリーだが、横に立っているオーロラの口元がニヤリと笑っていたことには気が付かなかった……
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