クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜
第9章 黒海海戦
その日の午前中、若きパイロット、ジョン・リアリティはジェニファーのプライベートルームに居た
いつもお姉さんぶっているジェニファーが自分の腕の中で眉間に皺を寄せて苦悶の表情を見せながら快楽にひたっている姿を見るのは新鮮だった
ジェニファーの裸体は美しい
やや大柄な体格の彼女だが、今は自分のリードでセックスを楽しんでくれている
隣の部屋のクルーに声が聞こえないよう我慢して耐えている姿が、いつも強気な彼女とのギャップがある
行為が終わったあと、2人で抱き合いながらまどろんでいた
金髪の彼女のロングヘアーは今だけ人目を気にせず存分に撫でてやることが出来る
行為が終わってもジェニファーの頬は上気して紅く染まり、いまだ肩で息をするかのように呼吸を整えている
「ジェニファー、一段落したらブルガリアのリゾートビーチに行かないか?」
「ふふふ、ローズちゃんに聞いたのね?
バカンスに来ていて戦闘に巻き込まれた、て言ってたから」
ジョンは先を読まれて不服そうだ
「キミの水着姿を見たいよ」
「飛行艦に乗るのに水着なんて持ってきてないわよ!」
ダイクンの息子による地球寒冷化作戦により地上は急激に気温が下がっている
ジョンたちの巨大な飛行艦ゾーナタは北欧から派遣された部隊だ
ジョンはせっかくここまで南下してきたのだから海で泳いでみたかったのだ
ふたりがまどろんでいられる時間はあとわずか
ジェニファーのルームメイトの勤務が終わり部屋に戻って来る前にジョンはでていかなければかならない
寝そべりながら後ろから抱きつくジョン
ジェニファーはそんな彼をとても可愛いと思っていたが、言葉にはしなかった
どうせまた姉貴ぶるなよ、と文句を言うに違いない
ジェニファーは抱きしめられながらクスクスと笑っていた
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