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クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜

第10章 ムーンブレイド


連邦軍のモビルスーツ〈ジムⅢ〉の強襲部隊は3個小隊を合わせた12機でバクーの街を襲撃した!


彼らは隣国アルメニア基地から派遣されて越境攻撃を仕掛けてきたのだ


アゼルバイジャンのバクー基地からも臨戦態勢をとることは覚悟の上での強襲か!?


部隊はサブ・フライト・システムに分乗し、バクーの市街地、山間部を制圧していく


突然現れたアルメニアの連邦軍の攻撃にバクーの駐在部隊は右往左往するだけで無力であった


事前にスパイから秘密裏にターゲットのシグナルの情報がもたらされたきたものの、そのシグナルが何なのか、ターゲットが何なのか知らされていなかった


始めに小隊が山間部から降りてくると、市街地へまわっていた別働隊も次から次に合流していく


数機はサブフライトシステムから降り立ち、残りは上空から支援できるよう上空を制圧してしまった


モビルスーツのショルダーパーツはグリーンに塗装が統一されている


〈アンバー部隊〉


アルメニアを中心にアゼルバイジャンやトルコの国境で常に小競り合いを展開してきた輩だ


特に3つの国の国境近く、アララト山近辺はアルメニアの〈アンバー〉、トルコの〈ゼントリックス〉、アゼルバイジャンの傭兵部隊が緊迫している


「シグナル消えましたぜ、隊長ぉッ!?」

「慌てるなイゴール、近辺の地形をスキャンしろ、逃げるとこなんて無ェんだ!」


ジムⅢの頭部に哨戒専用のセンサー類をまとったイゴール・シュメールのジムⅢは眼を奪われたカタチになっていた


脚部にブースターを増設した隊長機を駆るアーティははやる気持ちを抑えきれない荒くれ者たちを制した


「やれやれ、何なんだよ今回の任務は!
 ハッキリしねぇ仕事だぜ?
 マリナッ!そっちはどうなってるッ!?」


「大声出さないでおくれよッ!こっちは休みの日にスクランブルかけられちまって、二日酔いのアタマに響くんだよッ!」


部隊唯一の女性パイロット、マリナ・アルテナも威勢が強く、紅一点というような生易しいものではない


唯一物静かなホルン・コルンだけは冷静に状況を分析しているところだ


アーティ、ホルン、イゴール、マリナ
4機のアンバー部隊に緊張感が走る


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