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「ふふっ、颯介。私を助けにきてくれたのね」


　その時、隣の鏡にスレンダーな美里の姿が写った。


「美里！」

「颯介、さっきはごめんね？　やっぱり私……颯介が一番好き。だから私を選んでくれるよね？」

「……っ……」


　僕は混乱した。
　なぜ美里が二人いるんだと……。


　ぽっちゃりとした美里と、スレンダーな美里。どちらも鏡の中から僕に助けを求めている。


「……一体どうなってるんだっ……」　


　ぽっちゃりとした美里の方は映像ではなさそうだ。戸惑っている僕を見て、今にも泣きそうな表情を浮かべていた。


　一方、スレンダーの美里は余裕のある表情で僕の助けを待っていた。