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第2章 【第一章】彼女

 僕は……


 僕は……



「美里、避けろ!!」


 僕はズボンのポケットに偲ばせていたバールで、思いっきり鏡を割った。


 鏡は粉々になって床に散らばる。


「美里……来い!」


 僕が手を伸ばした相手は、ぽっちゃりとした美里だった。


「颯介っ……」


 ぽっちゃりとした美里は泣きながら僕の胸に飛び込んだ。


「……ずっと……怖かったよぉ!」


 僕の胸の中にいる美里は、幻覚なんじゃなかった。こっちが本物の美里だった。


「ごめんな、美里……。ずっと気づかなくてごめん……」


 僕がずっと抱いていた違和感がわかった。本物の美里の顔には、幼い頃母親に虐待された時の傷がある。だから美里は鏡が大嫌いだった。


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