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第2章 【第一章】彼女

 明らかに、スレンダーな美里が嘘をついている。――いや、本当にそうなんだろうか? 本当にぽっちゃりとした美里が本物なんだろうか?


 わからない。
 分からなくなってきた。


 本物の美里はどっちなんだ?
 スレンダーな美里か、ぽっちゃりな美里か……それとも両方偽物なのか。


「颯介、私を信じて!」

「颯介、私は颯介を信じてる!」

「……っ……」


 僕は考えて考えて考えて考えまくって、やっぱりぽっちゃりな美里を選んだ。


「行こう、美里!」


 僕は美里の手をしっかりと握り、ミラーハウスから出た。一瞬、鏡におっさんの姿が写るのが見えて、やっぱり僕の選択は正しかったんだと安堵した。



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